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学会活動等

日本高血圧学会 顕彰委員会

栄誉賞

石光 俊彦 先生(宇都宮中央病院)

石光俊彦先生

  • この度、2023年9月、第45回日本高血圧学会総会におきまして、本学会の栄誉賞を拝受し、ご推薦、ご選考頂いた学会の皆様に厚く御礼申し上げます。そして、今までに本賞を受賞された壮々たる先達の方々の偉業を顧みるに恐悦至極に尽きる思いです。
    私は、1983年に松山で行われた第6回高血圧学会に初めて参加させて頂きました。当時は1会場で厳選された演題に対し活発な議論が行われました。本学会で発表することを目指しましたが、なかなか演題が採択されず、不採択になった演題を論文にしたらHypertension誌に掲載されたというようなことも経験しました。そして、1987年の第10回で初めて採択されたのですが、初日の午前の発表で、京都国際会館のメインホールには大勢の参加者が集まり、質疑応答では頭の中が真っ白になりました。
    その後、1997年に評議員にして頂き、師事する松岡博昭先生が理事長を務められたことから、2006-2018年は事務局担当幹事、理事として事務局運営のお手伝いをしました。この間、学会事務センター破綻後の財務に苦慮しながらも、事務局長に大塚さんを迎え、飯山さんが中心メンバーとして残って、Hypertension Research誌担当の高山さんが戻り、しっかりした体制が築かれていることを大変嬉しく思います。
    また、2014-2020年はHypertension Research誌の編集長を担当し、研究不正問題などに対応するとともに、収支の改善やImpact Factorの向上などに努めました。学術雑誌の刊行は非営利事業の色合いが強く、二千万近い赤字をSpringer Natureとの交渉などで数百万にまで減らし、Impact Factorも3を維持するのがやっとでした。こちらは、現在、苅尾七臣先生に引継いでImpact factorは5台に上がり、収支も黒字を見込める状況になっているとお聞きし喜ばしい限りです。
    2019年に第42回高血圧学会を主催させて頂き、17年ぶりに東京での開催で多くの方に参加して頂きましたが、同年末よりコロナ禍が始まり、2020-2022年はISHを含め延期あるいはハイブリッドでの開催となりました。そして、2023年は大阪で第45回高血圧学会が4年ぶりに通常開催されましたが、多くの方が現地参加され、往年に近い形でプレナリーセッションが行われたことが印象に残りました。
    医療,学問の進歩や世相の状況に応じて学会のあり方も変わって行くものと思いますが、人生100年と言われるようになっており、引き続き高血圧学会には参加して学ばせて頂きたく存じますので、会員の皆様にはよろしく相変わらぬご交誼を賜りますようお願い申し上げます。

学会賞

 

冨山 博史 先生(東京医科大学)

冨山博史先生

  • この度、第45回日本高血圧学会会長 楽木宏実先生、日本高血圧学会理事長 野出孝一先生、熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学教授 向山政志先生、広島大学未来医療センター長・教授 東幸仁先生はじめ多くの先生方のご推挙により、日本高血圧学会学会賞を頂戴することができました。誠にありがとうございました。
    私の専門は血管障害の臨床研究です。日本大学医学部卒業後、聖路加国際病院で初期研修を終え、日本大学駿河台病院循環器内科に在籍していた当時、聖路加国際病院元院長 故・日野原重明先生が設立されたライフプランニングセンターにおいて、帝京大学医学部教授であられた道場信孝先生のご指導の下Treadmill運動負荷試験を行っておりました。その時の経験(運動負荷時の血圧反応が個々の患者さんで大きく異なることに興味を持った)が、血管に関連する臨床研究を始める直接のきっかけとなりました。また所属していた日本大学駿河台病院循環器内科においては、故・梶原長雄教授、上松瀬勝男教授、久代登志男教授のご指導・ご教示の下、血管作動物質、交感神経の重要性や頸動脈超音波検査について多くを学ばせていただきました。その後は帝京大学第三内科 道場信孝教授にご指導いただき、内皮機能検査や凝固線溶機能、循環調節、心不全の臨床研究を行ってまいりました。そして2001年からは、在籍中の東京医科大学循環器内科において、山科章教授ご指導の下、脈波速度の研究を開始しました。
    思うに研究開始当初は、内皮機能検査、脈波速度検査、頸動脈超音波検査、自律神経機能、血圧変動、心不全など、興味の向くままバラバラに臨床研究を行っておりましたが、研究を進めていくうち、血管機能として全てを関連付けて考えることが出来るようになっていったと感じます。またそれと並行して、血管機能検査に関連した臨床研究を継続することが私の責務であると考えるようになりました。その後は、我が国の循環器疫学研究、循環器臨床研究に携わる多くの先生方と共に数々の多施設共同研究を実施する機会に恵まれ、血管機能検査のガイドライン策定や基準値設定に貢献できたことは誠に大きな喜びでした。
    本日に至るまで、日本大学駿河台病院循環器内科、帝京大学第三内科、東京医科大学循環器内科、村上医院、小林医院など多くの施設、そして多くの諸先輩方のご指導・ご鞭撻、また同僚、後輩の支援協力をいただいてまいりました。その全てに恵まれたことが今回の受賞に繋がったと痛感致しております。この場をお借りして重ねて心より厚く御礼申し上げます。

学術賞

久松 隆史 先生(岡山大学)

久松隆史先生

  • この度は大変栄誉ある日本高血圧学会学術賞を賜り、大変光栄に存じます。理事長の野出孝一先生、学会長の樂木宏実先生、向山政志先生はじめ選考委員の先生方、また学会の諸先生方・関係の皆様に心より御礼申し上げます。
    私は2003年に滋賀医科大学医学科を卒業し、約8年間にわたり循環器内科医としての臨床経験を積みました。この経験を通じて、高血圧症と循環器病の予防の重要性を再認識し、同大学大学院修了後は、一貫して高血圧症・循環器病の予防に関する疫学研究に取り組んでまいりました。臨床医から疫学・予防医学研究の研究者へ転身するきっかけとなりましたのは、大学院時代における滋賀医科大学NCD疫学研究センターでの疫学・予防医学研究に対する深い学びと三浦克之先生・上島弘嗣先生はじめ同門の先生方の温かいご指導のお陰です。その後も、神田秀幸先生、岡村智教先生、大久保孝義先生、有馬久富先生、藤吉朗先生、等、この分野の第一線でご活躍されている経験豊富な先生方から疫学・予防医学を一から学び実践する機会に恵まれました。さらには、国際共同研究や米国シカゴのNorthwestern University Feinberg School of Medicineへの留学の機会をいただき、世界で活躍する研究者と出会い学ぶことで、さらに自身の視野を広げることができました。
    私は、地域に根差した複数の疫学・予防医学研究(滋賀県草津市・島根県益田市・岡山県新見市)の立ち上げ・運営に継続して携わり、妥当性の高い標準化された偏りのないデータから、多彩な疫学的手法を用いて、特に高血圧と循環器病の予防に関する質の高いエビデンスの創出に努めてきました。これからも、地域に根差した疫学・予防医学研究を通じて、研究のみならず、社会貢献、そして教育・人材育成に尽力して参ります。
    本受賞を胸に刻み、一層の努力と精進を重ね、また、大変微力ではございますが、今後も日本高血圧学会の更なる発展に貢献できるよう努めて参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

日本高血圧学会 歴代受賞者について

日本高血圧学会 栄誉賞

日本高血圧学会 学会賞

日本高血圧学会 学術賞

学術賞の公募について規定規定

日本高血圧学会は、将来の高血圧学の進歩に寄与する顕著な研究を発表し本会の発展に大いに期待される会員を選考し、日本高血圧学会 学術賞を授与いたします。

第14回学術賞

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