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学会活動等

禁煙宣言

日本高血圧学会では、高血圧治療に携わる医師・医療関係者は、積極的に「禁煙」を推進すべきとの立場から、第40回日本高血圧学会総会において「新禁煙宣言」を発表し、学会としての基本方針を明らかにしました。

日本高血圧学会新禁煙宣言

喫煙は、心臓や肺の病気、がんなど多くの病気になる危険性を大いに高める習慣で、日本では年間12万9千人が喫煙によって死亡しているといわれています。さらに、たばこを吸わない人でも喫煙者が発生させたたばこの煙にさらされる「受動喫煙」により、年間1万5千人が死亡しているとされています。「禁煙」および「受動喫煙の防止」がこれらの健康被害に対する最も重要な予防法であって、他の方法では代替できません。

喫煙は高血圧の原因にもなりえますし、高血圧を原因としておこる心臓や血管の病気の危険性を増す主な要因でもあります。また、喫煙は日本の死亡原因に最も関与しています。これらのことから日本高血圧学会は、高血圧の診療をしている医療従事者が喫煙による健康被害の重大性を再認識し、禁煙の重要性を広く国民のみなさんにお伝えして禁煙推進を目的とする禁煙宣言を2007年に行い、高血圧治療ガイドラインや学会活動に反映させてきました。

この10年間で、2004年にわが国が批准し締約国となった「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」に基づく施策が実施され、公共施設、公共交通機関などの禁煙化が急速に進みました。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定を契機に、喫煙対策、特に受動喫煙対策に関する議論が広く一般のみなさんの関心を集めるようになりました。その一方で、飲食店・旅館などの屋内喫煙の規制はまだ十分には進んでおらず、また、加熱式たばこの登場により受動喫煙対策も複雑になりつつあります。

こうした社会の変化を踏まえ、日本高血圧学会は以下に掲げる新たな基本方針の誠実な実行を通じて、次の世代へ向けてより強固に喫煙・受動喫煙対策を行っていくことを改めてここに宣言します。

  1. 日本高血圧学会は喫煙・受動喫煙対策の模範となるべく、会員自らが加熱式たばこを含むあらゆるたばこ製品を使用しないことを徹底し、自らが診療を行う施設の敷地内完全禁煙の達成や患者さんへの積極的な禁煙指導の実践を継続します。
  2. 日本高血圧学会特別正会員(FJSH)および高血圧専門医は禁煙指導力のあることを認定の要件のひとつとします。
  3. 日本高血圧学会が関係する学術講演会や市民公開講座などを開催する会場施設を敷地内完全禁煙とするよう努めます。また、喫煙・受動喫煙対策に関連するセッションやブース展示などを継続的に実施し、喫煙・受動喫煙対策の重要性をより広く国民のみなさんにお知らせします。
  4. 禁煙推進学術ネットワークやその他禁煙関連学会・団体などと相互に連携し、喫煙・受動喫煙対策を行っていくと同時に、関連法案も含めた社会環境の整備へ向けて行政や産業界などへ積極的な働きかけを行います。

2017年10月22日
特定非営利活動法人日本高血圧学会
理事長 伊藤 貞嘉
第40回日本高血圧学会総会
会長 檜垣 實男
日本高血圧学会禁煙推進委員会
委員長 野出 孝一

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