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学会概要

日本高血圧学会理事長からのメッセージ

~高血圧学の更なる高みを目指して~

理事長2022年(令和4年)10月、楽木宏実先生の後任として、第12代日本高血圧学会理事長を拝命致しました。日本高血圧学会(JSH)は初代猿田享男理事長以来、歴代理事長の指導力と会員の御努力により着実に発展を遂げて参りました。伝統あるJSHを率いることとなり、その責任の重さを実感しています。今後2年間、苅尾七臣副理事長、西山成副理事長と力を合わせて新たな高血圧研究成果を社会実装することで国民の健康福祉向上に寄与していきたいと思います。

心臓病、脳卒中、腎臓病、血管病の最大リスクである高血圧の制圧は健康寿命延伸に向けた最重要課題です。伊藤裕元理事長の時に「高血圧みらい医療計画 JSH Future Plan」を作成し「良い血圧で健やか100年人生」というスローガンの下に「高血圧の国民を10年間で700万人減少し健康寿命を延ばす」プロジェクトを展開しています。脳卒中・循環器病基本対策法が循環器病予防を重視する中、次なる2年間も楽木前理事長体制の事業を継承し、JSH フューチャープランを遂行することで本邦の高血圧制圧に臨んで参ります。

学会の学術活動は知の拠点であるアカデミアの根幹を成すものです。「科学者は自らが生み出す専門知識や技術の質を担保する責任を有し専門知識、技術、経験を活かして人類の健康と福祉と社会の安寧に貢献する」 このJSHの規範を遵守し、世界の高血圧研究を牽引してきた先達の研究を発展させて更なる高みを目指していきたいと思います。

Virtual Reality等のデジタル医療・ヘルスや先端医工研究を生かした革新的な新学術領域を拡充するとともに社会と双方向性の対応(Patient and Public Involvement)を考慮した社会実装を推進することで「社会と協奏する高血圧学」を実践して参ります。

JSHの機関紙であるHypertension Research誌はインパクトファクターが約5.5となり国際的にも評価されています。作成中の新JSH高血圧治療ガイドラインや高血圧の新たな病態、診断と治療に関する臨床に資する革新的な論文を多く掲載し「新高血圧学 Neo-Hypertension」を具現化していきます。

高血圧診療・研究に関わる専門医、チームスタッフ、女性、若手研究者の人材育成はJSHの重要な使命です。Patient and Public Involvement を考慮した高血圧専門医、マスタークラスや循環器病予防療養指導士の新制度設計が重要です。

ダイバーシティ&インクルージョンを重視したフォノサピエンス世代の人材育成、生涯教育(リスキリング)を推進することで患者さんの「より良い人生」に資する高血圧合併症包括的チーム医療が促進されることを期待します。

JSHは内分泌代謝、糖尿病、腎臓、循環器、脳卒中、老年病、小児産婦人科等の多彩な領域を包含しています。その強みを生かし、実地医家、チームスタッフ、海外、特にアジアの若手と共創し新結合することで更なる多様化と国際化を目指して参ります。

新型コロナは時代変化を加速し、世界はウェルビーイングの時代へパラダイムシフトが起こっています。現代は変動性、不確実性、曖昧性の時代と言われます。これからの四半世紀を見据え、「務本の学」といわれる、「本質」を追究して次世代の新たな価値を創発する高血圧学を通じ社会貢献に繋げていければと思います。

会員諸氏の総力を結集し伝統ある日本高血圧学会の発展に微力ながら尽力していきますので皆様には益々の御理解と御協力を賜ります様、何卒宜しく御願い申し上げます。

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事長
佐賀大学 医学部内科学講座 主任教授

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