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SPRINTの結果発表を受けて:厳格な降圧治療の有用性と有害事象への注意
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事一同
 
 
Systolic Blood Pressure Intervention Trial (SPRINT)の結果が2015年11月9日にNew England Journal of Medicineに発表されました。概要は以下のとおりです。
 
対象: 50歳以上の高血圧患者(糖尿病合併例や脳卒中既往例は除く)9361人 
方法: 降圧目標について120 mmHg未満(厳格群)と140 mmHg未満(通常群)の群に無作為に割り付けて複合心血管病(心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全、心血管死)の発症を比較。観察期間の中央値は3.26年。 
結果: 
120 mmHg未満群140 mmHg未満群ハザード比
到達収縮期血圧121.5 mmHg134.6 mmHg-
降圧薬の剤数2.8剤1.8剤-
年間の複合心血管病発症率1.65 %2.19%0.75 (95% CI, 0.64–0.89)
年間の全死亡率1.03%1.40%0.73 (95% CI, 0.60–0.90)
重篤な有害事象120 mmHg未満目標群で低血圧、失神、電解質異常、急性腎障害、急性腎不全が有意に多かった
 
 
日本高血圧学会の見解は以下のとおりです。
 
  • 高血圧治療ガイドライン2014の降圧目標の範囲の中で、より低い血圧値を目指すことを推奨しますが、現段階で個別の降圧目標値の変更を提示するものではありません。
  •  
  • SPRINTの結果は、糖尿病合併者や脳卒中既往者を除いた50歳以上の高血圧患者に対して、120 mmHg未満を目指すことの妥当性を示していますが、より厳格に降圧する際には、脳・心・腎への有害事象(低血圧、失神、電解質異常、急性腎障害など)について十分に注意する必要があります。
  •  
  • 日本高血圧学会は、SPRINTの結果を重視しますが、本研究はあくまで米国で行われた研究です。日本の高血圧治療ガイドラインの見直しをすべきかどうかについて学会内でさらに議論を続け、併せて、日本人を対象とした同様の研究の必要性について早急に検討を進めたいと思います。
  • 参考ファイル

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