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人を対象とする医学系研究Q&A【研究資金、COI】

(2015年9月29日初版。必要に応じて随時改訂いたします。ご意見は学会事務局までお願いいたします。)

2.「臨床研究」の定義・COI開示が必要とされる理由

Q2-1 臨床研究とは漠然としていますが、具体的にはどこまでの研究をいうのでしょうか?日本医学会では、臨床研究のCOIマネージメントではなく、「医学研究」としていますが、どのように定義しているのでしょうか?
A2-1

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」において、「人を対象とする医学系研究」の定義がなされ、ガイダンスにおいては具体的に解説されています。様々な指針において色々な用語が用いられていますが、本指針が基準となります。

自分たちが行おうとする研究がどの範疇に入るのか、本指針とガイダンスにて十分確認してください。判断が困難な場合には、この指針の規定する倫理審査委員会の意見を聴くことが推奨されています。

Q2-2 症例報告や単なる臨床経験(カテーテル治療手技の経験例など)の発表でも倫理審査やCOI開示は必要ですか?
A2-2

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」(4ページ)では、いわゆる「症例報告」は「研究」に該当しないと記載されていますので、Qにある内容では通常の倫理審査は必要ありません。

COIに関しては、学会や雑誌等の開示基準に照らして開示をすることが必要です。発表内容に関連する企業や団体が存在しなくても「なし」と開示することが必要です。症例報告であっても降圧薬の効果や副作用と関連したものであれば関連する企業が存在することになりますが、薬剤や器機と関係がない発表内容であれば関連する企業はないと判断できます。

ただし、過去の臨床経験の積み重ねをまとめて特定の手技や治療の有用性を解析した発表などは「研究」に該当しますので倫理審査やCOI開示が必要です。

Q2-3 臨床研究で利益相反が問題視されるのはなぜですか?
A2-3

臨床研究は研究成果がもたらす社会的貢献の有無に関わらず

  • 特定の資金源(企業など)や所属する研究機関、研究者自身に対する知的財産などが生じる可能性(利害関係)
  • 医師の本務として患者さんの診療を進めるべきところが、臨床研究の実施により逆に被験者の生命や人権が脅かされる可能性(本務にバイアスがかかる可能性)

の両面を併せ持ちます。

1人の研究者をめぐって発生するこのような義務の衝突(Conflict of Commitment)、本務と利害関係の対立・抵触関係が、いわゆるConflicts Of Interest(COI;利益相反と和訳されています)と呼ばれる状態です。

適切なCOI開示がなされていない場合、かかる衝突により第三者から本務にバイアスが掛かったのではないかといった疑惑を受けることとなったり、被験者の不利益を生じたりする可能性、研究発表の受け手(論文読者など)が研究結果の科学的解釈においてバイアスの度合いを適切に判断できずに拡大解釈に至るような可能性があります。

利益相反状態が存在することが問題なのではなく、注意すべき点は、適切なCOIの管理や開示によって透明性を確保することにより研究の信頼性を確保し、第三者から思わぬ指摘を受けないようにすることです。

1. 臨床研究を実施する場合の倫理やCOI関係の基本情報 3. 臨床研究開始時の倫理審査・COIの管理
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