高血圧・循環器病予防療養指導士認定制度とは

日本高血圧学会と日本循環器病予防学会が共同のもとに学会認定制度を設け、「高血圧・循環器病予防療養指導士」を認定することとなりました。
この制度は、循環器病の主たる原因である高血圧等の生活習慣病の改善・予防およびその他の危険因子の管理に関する療養指導を行うために有能な専門的知識および技術を有する職種の資質向上を図り、そのことにより循環器病の予防や病態改善により、国民の健康増進に貢献することを目的として発足いたしました。この資格を取得した方が確かな知識と経験を身につけて、さまざまな場面で対象者・患者に適した助言・指導を行うことで国民の健康が増進することを期待しています。

ご挨拶

高血圧・循環器病予防療養指導士に期待

日本高血圧学会 理事長 伊藤 貞嘉

日本高血圧学会 理事長 伊藤 貞嘉

日本高血圧学会と日本循環器病予防学会が協同して発足した「高血圧・循環器病予防療養指導士」認定制度が2015年よりスタートしました。2016年3月に第1回認定試験を実施しすでに全国の医療現場で「高血圧・循環器病予防療養指導士」は活躍されています。日本の高血圧患者数は約4,300万人と推定されており、この高血圧が、全心血管病、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病などの罹患リスクおよび死亡リスクとなっているのは、ご存じのとおりです。保健師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、心理士、臨床検査技師、健康運動指導士などの多くの関係する職種の方が、減塩,減量や禁煙、適度な飲酒と適度な運動など、日常の生活習慣を良い方向に変えていく指導も高血圧患者を減らすために重要なことです。高血圧や循環器病の治療にあたる医師とともにコメディカルの方々が、共通の認識を持って、ともに予防、治療にあたっていくことがより有効であることは明らかで、患者さんそれぞれの状態に合わせ、身近に患者さんの相談にのり、実施可能なさまざまな指導をしていく方がさらに求められています。これらコメディカルの方々を対象に確かな知識と経験を身につけて、さまざまな場面で助言・指導ができる専門家を養成するための認定制度が「高血圧・循環器病予防療養指導士」です。本年、認定試験ガイドブック「高血圧と循環器病の予防と管理」が出版され、また主要都市での講習会やe―ラーニングもスタートして受験のための学習環境も充実してまいりました。身につけた正しい専門知識と経験をもとに、現場で指導ができる資格を取得され、国民の健康の向上、高血圧・循環器病の予防、治療のために活躍をされますことを期待しております。

日本循環器病予防学会  理事長 山科 章

日本循環器病予防学会 理事長 山科 章

わが国の高血圧患者数は4,000万人を超えており、国民の3人に1人は高血圧と言われています。我が国では毎年120万名あまりの方が死亡されていますが、悪性腫瘍が約3分の1、脳卒中や心筋梗塞などの循環器病が約3分の1といわれています。循環器病のほとんどは動脈硬化を基盤としており、その原因として高血圧が最も関与しています。高血圧が原因で死亡される数は毎年10万人を超えており、非感染性疾患の中ででは喫煙の約13万人に続いて第2位です。その他の原因として重要なものに、運動不足52,000人、高血糖、塩分高摂取34,000人、高LDL血症24,000人、過体重19,000人、果物野菜の低摂取9,000人などと報告されています。この疫学調査からわかるように、高血圧に加えて多くの悪い生活習慣が心血管疾患を発病させるものであり、降圧薬だけでは問題が解決しないことがわかります。すなわち、危険因子の総合的な管理が必要であることは明らかです。そこで、日本循環器病予防学会と日本高血圧学会では共同して、高血圧・循環器病予防療養指導士の認定制度を発足しました。この制度の目的は心血管病の主原因である高血圧を含む生活習慣病の改善、誘因となる生活習慣の改善に関する療養指導を行うための有能な専門知識および技術を有する療養指導士の養成です。
高血圧・循環器病予防療養指導士の取得にはいくつかの資格基準、指定された研修カリキュラムの修了、試験の合格が必要ですが、決してハードルの高いものではありません。多くの方が高血圧・循環器病予防療養指導士として認定され、循環器予防の第一線で活躍され、国民の健康寿命・平均寿命が延長されることを願ってやみません。

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